ケラチンは羊毛だけでなく、私たちの頭髪、体毛、角質にも含まれています。さらに私たちは近赤外線を浴びると、まず血管を拡張して赤くして、次に汗をかいて皮膚の水分を増やして体を守ります。
近赤外線は水とヘモグロビンに吸収されるため、日常的に近赤外線を浴びている人は顔が赤くて、皮膚もパツパツに張っています。ケラチンと皮膚の水分は、近赤外線をよく吸収してくれます。それに加え、生体の中で近赤外線を遮断するのに大変効果的に作用しているものに皮脂があります。日光を浴びて汗をかいた後、顔が皮脂でベタベタになった経験があるでしょう。また、朝起きた時にも同じような経験があると思います。これは、近赤外線から体を守るために皮脂が作られていると考えることができます。

私たちは遠い祖先の時代からずっと、朝起きてかなり長時間、太陽光に晒されながら生活しています。長い年月をかけて「紫外線はメラニンで遮断し、近赤外線は皮脂で遮断する」という防御機構が備わりました。皮脂は水分の蒸発を防ぐ作用も持ち合わせており、朝、顔に皮脂を蓄えて、日中の近赤外線に備えるのです。

洗顔しすぎると、皮脂が足りなくなり、肌が突っ張り、カサカサになることがあります。さらに皮脂による防御機能が落ちると、細菌感染の可能性が高まるので、洗いすぎはニキビなどの肌トラブルも増やします。『わたしは脂性肌で困るの』と悩まれる方も多いですが、実は乾燥肌よりも遥かに健康的で良い状態だと考えられます。皮脂が十分に分泌されれば、皮膚の防御機能もしっかり維持できるうえ、光老化の抑止にも繋がるからです。