化粧品成分としてのペプチド4

医療では、ヤケドによる皮膚移植治療や角膜切開での傷の回復に用いられている。53個のアミノ酸からなり、表皮細胞のDNA合成と細胞分裂させる「シグナル因子(司令塔)」の役割を果たす。皮膚の新陳代謝を活性化させ、ターンオーバーを促進させる。細胞の成長を促進させる働きから、シミ・シワ・ニキビなど多くの悩みに効果的と考えられている。

「ラミニン」(基底膜にあるタンパク質)に似た作用を持つ。基底膜上のタンパク質合成を促進させ、表皮と真皮間の結合を強化する働きがあり、肌そのものを強化できる。また、皮膚の新陳代謝にも深く関わっていると考えられている。老化によってできたシワを解消する効果が高く、ハリのある肌へと回復させる。肌を強くできるので、これから先の研究結果によっては幅広い活用が期待できる。

成長ホルモンに似た作用を示すペプチド。破損している細胞の再生を促進し、老廃物を排出させる作用があることから、ターンオーバーの促進に期待できる。また、脂肪を燃焼させる効果があるので、すっきりとしたフェイスラインに改善することも可能。

「線維芽細胞増殖因子」とも呼ばれる、アメリカで肌老化を抑制する特許を取得しているペプチド。FGFを肌に塗ると、線維芽細胞の数が増えたという報告がある。このことから、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の増加が見込まれ、肌水分量の増加やシワ・タルミの改善が期待できる。

コラーゲン線維形成を正常に行う際に欠かせない「デコリン」と似た作用を持つペプチド。まだ発見されて新しく、コラーゲン産生を継続的に行う効果が期待できる。コラーゲン線維を束ねることで肌の密度を上げ、ふっくらした弾力性を回復させる効果がある。

瞼のむくみや目元のたるみは、血流の悪さやリンパの流れの悪さからくるものが多い。その血流やリンパの流れを改善させ、ハリのある若々しい目元に回復させる効果を持つのがこのペプチド。デリケートでケアが難しい目元に使え、たるみ・ハリのなさ・目の下のクマ解消にもつながるため、若々しくすっきりとした目元を取り戻す効果が期待できる。

6個のアミノ酸に酢酸が結びついたペプチド。「アルジルリン」や「アルジレリン」とも呼ばれている。筋肉の収縮を抑制することで筋肉の緊張をほぐし、細胞の膜タンパク質の動きをなくし、固定させる働きにより、表情ジワを軽減させる効果がある。表情ジワ治療に使用するボトックス注射に似ているため、「塗るボトックス」とも呼ばれている。

これからのペプチドに期待する機能。

 注目しているペプチドは、『ヘキサペプチド― 11』です。これは紫外線ストレスを与えながら培養されたペプチドです。紫外線で受けた肌のダメージを補修する効果が備わっています。肌が紫外線で受けるダメージは思っているよりも高いですよね。UVカット剤や美白化粧品でのケアだけでは、追いつかないことも多くあります。そこで肌そのものを紫外線から受けるダメージに対抗できるように、肌を強くしておきましょう。すると紫外線からのダメージでできるシワなどの老化を軽減できると考えられるからです。ヘキサペプチド―11の効果が十分に生かされている化粧品の開発が今の課題であると言っても過言ではありません。実現すれば、紫外線で受ける肌のダメージは軽減されるどころか、回避できると期待できます。