地表に注がれる紫外線の量は地域や季節によって異なります(図3)。 また、標高が1000メートル上昇すると紫外線量が約15%増加します。 一日当たりの紫外線量を見ると、12時頃をピークに10時から14時までの紫外線量が約60%を占めます。

人に備わっている紫外線の防御機構は ①メラニン色素を作る、 ②角質を厚くする、 の二通りです。 ①は主に黄色人種や黒色人種に強く、②は白色人種に特に強く備わっています。 しかし、この防御機構だけでは不充分です。

紫外線が強い時間帯の外出を控えるなど、生活の中である程度意識することが大切です。
そして、外出の際は帽子やサングラス、袖の長い衣類といった物理的な防御、サンスクリーン剤による化学的な防御を行うといいでしょう。 現在日本ではSPFが15以上の化粧品を日焼け止め効果があると定義しています。

SPFとは「UVBによって紅斑が発生する時間をどれだけ遅らせるか」の指標です。数値が大きいほど効果時間が長くなります。夏の強い紫外線量の場合、約20分遅らせてSPF1くらいです。もちろん、紫外線の強さや個人の体質でばらつきが出ますので、用途の目安と覚えておきましょう。

UVAに対する防御力の指標はPAです。UVAによる黒化を遅らせる時間を、プラス記号を使い四段階にわけたものです。もともと三段階でしたが、測定技術が進歩したため、近年見直されました。SPFとは異なり、PA+で約何分の効果という明確な数値はありません。

UVAは光老化に関連していると古くから考えられてきましたが、UVBに比べ測定技術の確立が遅れたため、最近まで科学的な証明ができませんでした。 近年、ようやくUVAの重要性がわかり始めてきました。

サンスクリーン剤には紫外線反射剤と紫外線吸収剤の二つのタイプがあります。紫外線から肌を守るという面で「どちらが良い」ということはありません。 自分にとって使い心地がよく、継続して使えるものがおすすめです。

また、紫外線が肌に当たると活性酸素が発生します。そのためサンスクリーン剤を使う際にフラーレンやビタミンなど抗酸化成分を合わせて使うと、より効果的です