聴力の障害やめまいなどの症状は一時的な場合もありますが、継続する時や症状が悪化する場合にはすぐに医療機関で診察をしてもらいましょう。聴神経腫瘍と呼ばれる病気はとても多く良性腫瘍であることが特徴です。
聴神経腫瘍ってどんな病気?
腫瘍と聞くと大変怖い病気の印象を受けますが、聴神経腫瘍は良性腫瘍のためあわてて治療を受けることはありません。
しかし誤った判断をすると別の病気である可能性もありますので、聴力が衰えている時やめまいがある時はすぐに医療機関に行きましょう。
聴神経腫瘍はバランスをとる前庭神経に腫瘍ができる病気。脳腫瘍の約6%を占める良性腫瘍です。
聴神経は脳からでている12の神経のうちの一つで、腫瘍ができると聴力が衰える難聴の症状が現れます。まためまいや耳鳴りも多い症状の一つで、遺伝性があることも特徴です。症状は何の前触れもなく突然起こる場合もありますので、突発性難聴と間違ってしまう場合もありますので、正しく判断してもらうことが大切です。
原因について
聴神経腫瘍の原因ははっきりしていません。遺伝性によるものは聴神経の両側に腫瘍ができる場合もありますが、はっきりとした原因を特定するのは難しいといわれています。
症状は片側の耳の難聴や耳鳴りが徐々に始まる場合や、突然起こる事もありひどい時には顔面神経麻痺や顔面けいれんを併発することもあります。検査はまず聴力検査を行い、聴性脳幹反応を調べて腫瘍が疑われる場合にはMRIで画像検査をおこないます。そして脳神経の検査によりほかの神経の異常があるかどうかも診断されます。
難聴の症状がおこった場合はすぐに耳鼻科で検査を受けましょう。症状は良くなったり悪くなったり状態も変化しやすいため、治ったと勘違いする方も多いですよ。
治療方法について
聴神経腫瘍は良性のため、進行速度は遅く患者さんの年齢によっては治療をせずに様子を見るだけの場合もあります。
通常の治療は大きく分けると2つで手術療法と放射線療法があります。腫瘍の大きさによっては4㎝以上になるサイズの場合は開頭手術が必要になり、大変リスクが高い状態です。聴神経腫瘍の手術で命を落としてしまう場合も稀にあります。
摘出手術が必要な場合でも、なるべくリスクを抑えるため部分摘出をして、後は術後に放射線治療で様子を見る場合もあります。手術を行うには経験と質の高い技術が必要ですので、信頼できる耳鼻科医を見つけることも大切です。
治療方法はそれぞれメリットとデメリットもありますので、担当医と良く相談をして判断しましょう。