美容成分となるポリフェノールを探そう―悩み1 シミ・くすみ

シミやくすみはメラニンの沈着が原因です。改善法にはメラニンの脱色やメラニン産生の抑制、ターンオーバーの促進などあります。美白効果については主に「メラニン産生をどれだけ抑制するか」という生理活性試験から研究が進められています。

 

赤ブドウエキス

 

アンチエイジング成分として話題となったポリフェノール「レスベラトロール」を多く含んでいます。特に種子と蔓に多く含まれているとの報告があります。メラニンの産生を効果的に抑制することが報告されています。ハイドロキノンとレスベラトロール配合のシミ取りクリームなどもあります。


▲グラフはメラニンを作り出す際に必要な酵素「チロシナーゼ」の働きをどれだけ抑えるかを調べたもの。化粧品100g当たり、僅か0.3g入るだけでチロシナーゼの働きを半減させられる。

 

アセロラエキス

ビタミンCを多く含む他、アントシアニン類やカテキン類などのポリフェノールを含んでいます。美白効果はビタミンCよりも高く、ポリフェノールの作用によるものと考えられています。

 

イチゴエキス

 

美白有効成分である「エラグ酸」を含んでいます。果実よりも種子の方に、ポリフェノールが多く含まれています。

 

美容成分となるポリフェノールを探そう―悩み2 シワ・タルミ

 タンパク質のコラーゲンやエラスチンが、酸化ダメージにより変性・減少するとシワやタルミを引き起こ
します。コラーゲンやエラスチンの合成を促進させる作用が期待される成分を紹介します。

ライチ種子エキス

 

ライチの種子にはタンニン類やフラボン類が含まれています。皮膚内で起こるコラーゲンやエラスチンの分解酵素の働きを抑える作用があります。また、線維芽細胞を活性化させる効果もあり、コラーゲンの合成を促進します。


▲コラゲナーゼはコラーゲンを、エラスターゼはエラスチンを分解する酵素。この酵素の働きが抑えられれば肌のハリと弾力が維持される。

化粧品100g当たりライチ種子エキスを0.1g配合するとコラーゲンの分解を約7割抑えることが可能。極少量配合するだでエラスチンの分解を抑えられる。

桜の花エキス

 

桜の花には「ケルセチン」と呼ばれるポリフェノールとその類縁体が多く含まれています。線維芽細胞の糖化を抑制し、健常なコラーゲン形成を促進する効果があります。

松樹皮エキス

 

「ピクノジェノールⓇ」や「フラバンジェノールⓇ」と呼ばれている成分。40種以上のポリフェノールを含み、眼科や婦人科、循環器科などさまざまな分野で有効性が認められています。美容面では、コラーゲンの合成促進効果があり、肌のハリを改善することが期待されます。

美容成分となるポリフェノールを探そう―悩み3 ニキビ・肌荒れ

化膿しているニキビには抗菌作用が、赤みを帯びた肌荒れには抗炎症作用がそれぞれ働いています。薬草を傷口にあてるなど、「炎症」を抑えるために植物は昔からよく用いられていました。多くの化粧品にも配合されています。

ユーカリエキス

 

タンニンを含み、抗菌作用と抗炎症作用があるため、肌荒れを予防・改善します。セラミドの産生を高める効果も確認されているため、皮膚そのものの防御力向上も期待できます。


▲グラフはユーカリエキスを1%配合した化粧品とプラセボ(偽の)化粧品を比較したデータ。ユーカリエキスを1%配合するだけで、セラミド量が増加し皮膚表面の水分蒸散量が減少。結果、肌の保湿力が向上し肌のバリア機能が改善された。
【参考文献:ユーカリ抽出液塗布による効果(Takagi Y et,al,2000)より改変】

 

 

アロエエキス

 

 アロエの緑色の部分には各種ポリフェノールが豊富に含まれ、中には薬効が認められているものも含まれています。抗炎症効果とともに、炎症を鎮める効果もあります。

ローズマリーエキス

 

抗炎症作用・抗アレルギー作用のあるロズマリン酸や、タンニンなどのポリフェノールを含んでいます。また、抗菌作用がありニキビの予防に効果的です。

どうしても解消出来ないトラブルを抱えてしまったら??
究極肌トラブル解消は、やっぱりお薬も必要かも。お薬で平常状態に戻してからいつものスキンケアをするしかありません。

美容成分となるポリフェノールを探そう―悩み4 毛穴の開き・黒ずみ

毛穴の黒ずみは開いた毛穴に角栓などの汚れが蓄積してできるため、毛穴の開きを改善することが重要です。収れん作用のある成分は毛穴を引き締める効果が期待できるので、毛穴の開きや黒ずみを解消するのに役立ちます。

クララエキス

 

漢方では「苦参(くじん)」とも呼ばれる植物のエキス。効果の高い特殊なフラボノイドを多数含んでいます。収れん作用に加え、血行促進作用があります。この他消炎作用や抗菌作用もあります。

柿渋エキス

 

柿の渋み成分であるカキタンニンが主成分で強い収れん作用があります。この作用により毛穴を引き締め、黒ずみを予防します。また脂質の吸着効果があるので毛穴を清潔に保ちます。

美容成分となるポリフェノールを探そう

好みのエキスを見つけることも大切

植物エキス自体は、ハーブや生薬として古くから治療や美容に使われてきました。しかし研究が進み、植物エキスの内容成分や、作用のメカニズムなど、エビデンスが確立されてきたのは最近のことです。

 植物エキスにポリフェノールが含まれていることがわかり、効能や働き、美容効果も解明されてきました。その結果、ポリフェノールの効果のほとんどに抗酸化力が関係しているとわかってきたのです。

 抗酸化力によって、抗菌作用や抗炎症作用が生じます。美白作用が強いと言われるポリフェノールにも、もちろんその作用は備わっています。
 さまざまな作用を持つポリフェノールですが、体外にすぐに排出されてしまうため、効果を実感するためにはこまめに長く摂取し続けなければなりません。

 多くのポリフェノールには色や香りがついています。また、野菜や果物、木の実などの食品にも含まれています。悩みに合わせて選ぶと同時に、好きな味や香りから選ぶと、続けやすくなります。