意外と知らない「ビタミン」のホント③
欠乏も過剰摂取も注意したい脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kがあります。
皮膚や粘膜の活性に働きかけるビタミンA、血液を凝固させる成分を生成するビタミンKなど、脂溶性ビタミンも健康のために必要です。特に近年は、ビタミンK欠乏症の妊婦が増えています。ビタミンKが欠乏すると、出血が止まりにくくなるなど重篤な症状にもなるため、新生児には生後すぐにビタミンKシロップを与えています。
脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンのように摂り過ぎた分が尿として排出されません。肝臓などに貯蓄され、徐々に胆汁を介して腸に循環し、またすぐに腸から吸収され、再び蓄積されます。そのため、脂溶性ビタミンを摂り過ぎると、ビタミン過剰症の原因にもなります。もっとも、普通の食生活で、脂溶性ビタミンを摂り過ぎるということは殆どありません。ただし、サプリメントで不足分を補う際は、摂り過ぎに注意したいところです。
食品から摂ったビタミンそれぞれが然るべき器官で働くことで、全身の代謝を促し健康維持につながります。化粧品の中には〝○○ビタミン配合〞とうたうものが数多くありますが、肌からのビタミン補給に注力する前に、新鮮な食品からビタミンを摂り入れ、体内の栄養環境を整えることが先決です。