ペットを亡くしてしまった時に強いショックを受けて悲しみからなかなか回復できない、不眠や食欲不振など身体的にも支障が出てしまうほどの抑うつ状態になってしまうペットロス、では、どんな人がなりやすいのでしょうか?
①一人暮らしの方
一人暮らし、同居者がいないので時間に束縛されないし誰にも気を遣わなくていいし自分の意思で自由に行動できるし楽しいですよね。
部屋を自分の好みのインテリアで飾ったりもできるし、逆に家事に手を抜こうと思えば限りなくズボラにもできます。
でも、楽しいのは健康で元気で精神的にも安定してて仕事やプライベートも充実している時。
病気をしたり、ストレスで気が滅入ることが多かったり、仕事がうまくいかなくなったり、人間関係で躓いたりしたら、一人暮らしの孤独が本当に身に染みてきます。
そこで、癒しの存在としてペットを飼おうかという方、犬であっても猫であってもペットショップに行ってお金を払えば簡単に手に入りますが、自分の置かれている状況をよく考えてみましょう。
孤独だから、寂しいから、不安で落ち着かないから、という理由ではペットを飼い出してしまったらペットに精神的に依存することになり最初からペットロス予備軍になってしまいます。
それに、一人暮らしだと散歩しなくてよくて留守番もしやすい猫を飼われる人の方が多いかと思いますが、フード代だけでなく健康で丈夫なペットでもワクチンやノミ予防代など毎年決まった費用もかかります。
経済的に余裕はありますか?
また、一人暮らしだと賃貸住まいの人が多いですが、ペット可物件でもペットが傷つけたり汚したりしたら退去時に修繕費用を請求されます。特に猫は爪とぎをするので壁やふすまがボロボロになりがちです。フローリングにペットの爪痕がたくさんついたり、糞尿の粗相のあとがしみになったりしたら高額な修理代を請求されます。
そして、犬も猫も寿命が約15年、これから先15年、あなたのライフタイルは今と変わらずずっと同じでしょうか?
独身者なら結婚して同居人ができるかもしれないし出産するかもしれません。
引越ししなくてはならなくなり次はペット不可物件しかないかもしれません。
一人暮らしの方がペットを飼うのは色々な面でリスクが大きい上、深刻なペットロスにもなりやすいので飼う前に充分に検討しましょう。
②子どもがもう巣立った方
子ども達も大きくなり進学や就職、結婚などで家を出て独立してしまったという人、手がかかって気苦労の絶えなかった育児がなくなり生きがいがなくなってむなしい気持ちに襲われてしまう、いわゆる「空の巣症候群」といわれる状態ですが、巣立った子どもの代わりにと新しくペットを飼おうという方。
几帳面で真面目な人なら、ペットも子育て同様、熱心に情報を収集して勉強してきちんとしつけてと頑張ってしまうと思いますが、子どもの巣立った後の空虚感や寂しさの延長でペットに接しているとペットを自分の子ども同様に扱ってしまいます。
ペットは人間とうまく共存できるようにコンパニオンアニマルとして改良されてきたものですから野生動物とは違って飼い主の庇護がないと生きていけません。
人間の子どものように成長するにつれて反抗したり離れていくようなこともなく従順なので過剰に入れ込んでしまいがちですが、ペットと適切な関係を取るように気を付けましょう。
そうでないと、ペットを失った時には深刻なペットロスにかかる可能性が高くなります。
③高齢者の方
高齢者の方でペットを飼われている方も多いですよね。
特に独居の方は話し相手として、寂しさを埋めるためにペットを求めがちなのでどうしてもペットに依存するようになってしまいがちです。そして、ペットに先立たれるようなことになったら、ペットロスに陥り、老人性のうつ状態まで引き起こしてしまうかもしれません。
先のことをよく考えずに犬や猫を家に迎え入れてしまい、体力的にペットを世話することが追い付かなくなったりしがちです。特に犬は1日に1~2回は散歩させないと いけません。
高齢で足が悪くて犬に引っぱられて転倒したらいけないから散歩させることができないという方が本当に多くてずっとつながれっぱなしの状態の犬もたくさんいるのが現状です。
また、飼い主が不幸にもペットよりも先立ってしまったりすると残されたペットも不幸になってしまいます。また、高齢になると自分の信念や考えをしっかり持っていて曲げない方が多いので、ペットの飼い方についても周囲と軋轢を起こしがちです。
可哀そうだからと次々に捨て猫を家に迎え入れてしまったり、野良猫に餌付けをして近所で問題になったり、小型犬だからとノーリードで散歩させたり、買い物にも連れて行きスーパーの入り口につないだままにしたり、と非常識な行動も起こしがちです。高齢になると判断力が鈍り、情に流されがちなので周囲の人達が気を付けて適切に対処してあげるようにしましょう。