カビ取り剤でよく目にする「まぜるな危険!」という注意書き。容器に大きく目立つように表記されていますね。そこまでされると、とりあえず他の洗剤と混ざらないように使うことでしょう。
でも、何と何をまぜるといけないの?
一般的にカビ取り剤で使用する洗剤は「塩素系(えんそけい)」のものがほとんどです。これと混ざると危険なのが「酸素系(さんそけい)」の洗剤です。知らずに混ざって使用すると“有毒ガス”が発生します!
例えばトイレ用の洗剤には、水アカなどを分解する「酸性」の洗剤と排泄物などによる汚れを分解する「塩素系」の漂白剤があります。これらを同時に使用し有毒ガスを発生させてしまい、それが原因で死亡事故が起こりました。換気が間に合わず、大量のガスを吸ってしまったことによる事案です。恐ろしいですね。取り扱いには十分注意してください。
「塩素系」と「酸素系」の違いは何?
どちらも優れた漂白効果を持っていますが、違いはこうです。
◆塩素系
非常に強い酸化力と殺菌力で除菌、カビ取り、衣類のシミ取りなどにも使用します。ただし衣類に関しては、繊維にダメージを与えたり、色が落ちてしまったりと強力な漂白効果があるのであまりお勧めは出来ません。
◆酸素系
繊維にダメージを与えず色落ちの心配もないことから、主に衣類の漂白剤として使用されています。トイレ用には水アカを取る目的で、酸素系の漂白剤があります。
このようにカビ取りにおいて、一般的なのは「塩素系」の洗剤ということ。
カビの色素を漂白し、カビの細胞までも酸化・分解する力を持っているのです。
もちろん、酸素系の漂白剤を使ってのカビ取り方法もあります。匂いや刺激を好まない場合はこちらでもいいでしょう。
ここでもう一つ「酵素系(こうそけい)」という洗剤がありますが、混ざると危険な洗剤はこの「酵素(こうそけい)」ではなく、「酸素系(さんそけい)」です。意外と勘違いされる方がいるようですね。
では、参考までに「塩素系」と「酸素系」とされる洗剤の主成分となる物質を紹介します。
<塩素系>
・次亜塩素酸ナトリウム…家庭用の液体洗剤では最もポピュラーなもの。
・ジクロロイソシアヌル酸塩…家庭用のクレンザーなどに配合されているもの。
<酸素系>
・過酸化水素…繊維に優しく毛や絹、色柄物の漂白にも適するもの。
・過炭酸ナトリウム…毛や絹以外の繊維と色柄物に使用できる。
・過ホウ酸ナトリウム…毛や絹以外の繊維と色柄物に使用できる。
以上、他にも工業用として使われたり、食品添加物として使われたりするものも存在しますが、家庭用として販売されているものとしてこれらの主成分を知っておくのも、安全に使用するためには必要かと思われます。
これらを使用するにあたっては、必ずどちらかを使用したら水で完全に洗い流してから次の洗剤を使用してください。同時に使用する、混ぜて使用する、洗い流さずに次の洗剤をかけるなどは、結果的に混ざってしまいとても危険だという事を忘れないでくださいね、