1種類のビタミンを補うだけでは不十分
では、どうしたら上手にビタミンを摂り入れられるのでしょうか。それはやはり、日々の食生活を意識することです。
なにも食品成分表を見ながら毎食の栄養素をチェックする必要はありません。肝心なのは新鮮な食物を選んで食べることです。
また、自分の栄養管理を、医師や栄養士任せにしてはいけません。
例えば肥満の場合、最近の栄養士の多くは〝専門家として肥満を改善する〞ためだけに、一日に摂取するトータルカロリーを減らす指導をします。
その結果減量は成功するかもしれませんが、カロリーを減らせばそこに含まれる栄養素も減るので、ビタミン不足になりかねません。 一方、骨粗鬆症予防にカルシウムを積極的に摂ると、血中にあるカルシウムの過剰分が尿と共に排出され、血中のビタミンも一緒に排出されてしまいます。つまり、カルシウムの摂り過ぎは、結果的に血中のビタミンバランスを崩してしまうのです。
カルシウムを多く摂れば骨が丈夫になるのではなく、骨内でのカルシウムとマグネシウムのバランスが重要なのです。
サプリメントに頼る前にまずは食品から摂る
肥満や病気対策に限らず、健康や美容目的で販売されているビタミン系のサプリメントも数多くあります。しかし、その多くは試験管実験の結果を元にして作られており、その成分が生体でどう機能するかまでは実証されていません。
そのため、本当に効果的な商品かどうかを自分自身で見極めなければなりません。食物に関しても、素材を極力そのままの状態で食べることが、自然なビタミン摂取につながります。例えば、アジア人に多いとされる脚気は、白米を常食にするようになってから増えたと言われています。
玄米を精米する際に、米ぬかに含まれるビタミンB1が失われてしまうからです。
日本の食産業は実に多彩ですが、一方で、昔ながらの日本食の栄養バランスの良さが海外から注目を集めています。これらのニーズの中、総務省から研究補助金をいただき、全く食事に関する知識が無くても簡便にできる、画像入力タイプの個々人で可能な栄養の自己管理システムを作成しました。これは個々人の食事を登録することで、一日のエネルギーや三大栄養素、ビタミン、ミネラルの摂取量がわかるものです。
健康や美容のためにカロリーを気にするなら、これからは健康食を誇る日本人としても、ビタミンバランスを考えた食生活を心がけたいものです。
自分の栄養管理を自分自身で行うために
木村先生らが開設したwebサイト「健康栄養インフォメーション」。簡単なユーザー情報を登録後、“食事の栄養計算”を選択すると、1日に摂取した食事のメニューを入力する(選択式)だけで、栄養バランスをわかりやすくビジュアルで確認することができる。
http://www.health-info.jp/ 出店
※グラフの見方…赤文字の記号はそれぞれ次のビタミン類を表している。A:ビタミンA、D:ビタミンD、E:ビタミンE、K:ビタミンK、B1:ビタミンB1、B2:ビタミンB2、B6:ビタミンB6、B12:ビタミンB12、ナ:ナイアシン、葉:葉酸、パ:パントテン酸、C:ビタミンC