ビタミン配合化粧品は、複数の配合を確認して選ぶ

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC④

肌に効かせるためには相互作用と高濃度がカギ【2】
ビタミン配合化粧品は、複数の配合を確認して選ぶ

 ビタミン配合化粧品には、複数のビタミンやアミノ酸が入っているものが多くあります。これはビタミンの相互作用を考えています。

たとえばビタミンCはすぐに酸化されてしまう性質で、二段階の酸化をします(図3)。

第一段階の酸化を還元するのはビタミンB2です。第二段階の酸化を還元するのはグルタチオンです。ですからビタミンCだけでなく、ビタミンB2や抗酸化ペプチドであるグルタチオンを一緒に取り入れるなど、他のビタミンやアミノ酸と一緒に摂った方が、はるかに効果を期待できます。

また、ビタミンEは末梢血管の拡張作用を促し、活性酸素を消去する働きがありますから、これもビタミンCと一緒に摂った方が効果的でしょう。私が勧めている「カクテルビタミン注射」には、ビタミンCに加えてビタミンB2、B6、ビタミンH(ビオチン)、アミノ酸など、全部セットで配合しています。

なお、低分子のヒアルロン酸、コラーゲンが入っているものもいいでしょう。低分子のヒアルロン酸やコラーゲンが角質層に入ると、それが核になって、自前のコラーゲンやヒアルロン酸を作ることがあります。

※うんちく 蟹などの甲殻類に多く含まれる「アスタキサンチン」こちらも注目の成分です。アスタキサンチン配合のアスタリールについてはこちら

ビタミンは複合的にバランスよく摂る

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC③

肌に効かせるためには相互作用と高濃度がカギ【1】
ビタミンは複合的にバランスよく摂る

 以前、ビタミンC大量点滴療法が話題になりましたが、あれは〝ご飯だけをたくさん食べる食事〞のようなものです。バランスのよい食事がいいように、ビタミンCをメインに、そのほかのビタミンやアミノ酸をバランス良く入れたほうが遥かに効果的です。

サプリメントなどでビタミンを補う時も、一種類だけを大量に摂っても効果は期待できません。

静脈注射で入れたビタミンの効果

 静脈に直接ビタミンを注射すると、血管を通って皮膚に行き渡るだけでなく、皮膚同様、なかなかビタミンCが届きにくい卵巣や精巣にも流れます。忙しい人は目や脳へ血液が集中するため卵巣や子宮に血液が届きにくくなり、生理も止まります。

以前、ホルモン療法や漢方薬の投与でも治らないホルモンバランスの崩れが、ビタミンC注射で治ったという患者さんもいました。これら婦人科の症状には、ホルモンの合成に必要なビタミンCが不足している場合が多いのです。
 血中濃度を上げるには、注射が一番即効性があります。

ビタミンCを注射すると、あたかも砂漠に水がしみ込むように、あっという間に血中のビタミンC濃度が上がります。ある程度は蓄積される作用もあるようで、元気な状態が一週間くらい続きます。

ビタミン配合化粧品は複数の配合を確認して選ぶ

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC④

肌に効かせるためには相互作用と高濃度がカギ【2】
ビタミン配合化粧品は、複数の配合を確認して選ぶ

 ビタミン配合化粧品には、複数のビタミンやアミノ酸が入っているものが多くあります。これはビタミンの相互作用を考えています。

たとえばビタミンCはすぐに酸化されてしまう性質で、二段階の酸化をします(図3)。

第一段階の酸化を還元するのはビタミンB2です。第二段階の酸化を還元するのはグルタチオンです。ですからビタミンCだけでなく、ビタミンB2や抗酸化ペプチドであるグルタチオンを一緒に取り入れるなど、他のビタミンやアミノ酸と一緒に摂った方が、はるかに効果を期待できます。

また、ビタミンEは末梢血管の拡張作用を促し、活性酸素を消去する働きがありますから、これもビタミンCと一緒に摂った方が効果的でしょう。私が勧めている「カクテルビタミン注射」には、ビタミンCに加えてビタミンB2、B6、ビタミンH(ビオチン)、アミノ酸など、全部セットで配合しています。

なお、低分子のヒアルロン酸、コラーゲンが入っているものもいいでしょう。低分子のヒアルロン酸やコラーゲンが角質層に入ると、それが核になって、自前のコラーゲンやヒアルロン酸を作ることがあります。

※うんちく 蟹などの甲殻類に多く含まれる「アスタキサンチン」こちらも注目の成分です。アスタキサンチン配合のアスタリールについてはこちら

肌の奥に届かせるために望ましいのは「高濃度」

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC⑤

肌に効かせるためには相互作用と高濃度がカギ【3】
肌の奥に届かせるために望ましいのは「高濃度」

  化粧品に配合するビタミンを高濃度にすると、ビタミン濃度が低い肌の奥に素早く入っていきます(図4)。

数年前の医薬部外品のルールでは、化粧品に入れられるビタミンCの上限は3%でした。しかし3%では、表皮にあるメラノサイトに効果があっても、その下までには届かなかったのです。

大量の活性酸素は、角質層よりもさらに下にあり、真皮の中層から下層に存在します。この活性酸素の反応を抑えるために肌の奥にまでビタミンCを届けるためには、6〜8%のビタミンCの配合が必要です。

深部までのロングトラベルをかなえるためには、やはり圧倒的な高濃度にする必要があるのです。

※高濃度ドクターズアイテム を一部ご紹介 http://プラスリストア.net/

ビタミンCを効かせるためのリラックスした時間も大事

ビタミンCを効かせるためのリラックスした時間も大事

 〝脂っぽいけれど乾燥もしている〞という現代人の典型的なストレス肌は、忙しさで目や頭に血液が集中して顔の血流が滞り、薄くなった角質層を補うために皮脂の分泌が増え、毛穴が開くことが原因です。

肌のコンディションは自律神経が関与していますが、自律神経を支える「アセチルコリン」や「ドーパミン」の働きは、ビタミンCやビタミンBが支えています。以前、私のクリニックに肌トラブルの治療で来ていた患者さんが、「うつ病の治療に抗うつ剤を飲んでも効かない」と言っていたのに、肌治療のためにビタミンCが豊富に配合された「カクテルビタミン注射」をしたところ、うつ病まで改善したという例もありました。

 ビタミンを上手に取り入れるには、肌から入れるよりも先に、まず体内のビタミン環境を満たすことが大前提です。先にもお話ししたように、肌からビタミンを入れると同時に血中(体内)にビタミンが充分に満たされていることが、スキンケアには欠かせません。

また、食物からのビタミンをきちんと摂り込めるように、胃腸の吸収をよくする生活も心がけること、交感神経を正常に働かせ、ストレスを減らせるよう、一日の中でリラックスできる時間を設けることも大切です。

不足しているにもかかわらず尿に排出されてしまう不思議

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC②

不足しているにもかかわらず尿に排出されてしまう不思議

体内に摂り込まれたビタミンCが脳や心臓に優先的に伝達される一方で、肌は常にビタミンCを欲している状態です。しかし、脳や心臓にビタミンCが満たされると、残りは過剰分として尿と一緒に排出されてしまいます。これはなぜでしょう。
 似たような事例に、マグネシウムがあります。マグネシウムには、かゆみを引き起こす「ヒスタミン」の放出を抑えたり、表皮の分解や皮膚のバリア機能を促進する作用があります。しかし、ビタミンC同様、過剰分が尿に排出されてしまいます。また、ストレスでも尿への排出が促されてしまうため、血中のマグネシウムが減りやすい傾向があります。すると、それを補うために皮膚内のマグネシウムが血中に流されていくのです。その結果、血中のマグネシウム濃度は平常を保ちますが、皮膚内のマグネシウム濃度は下がり、これが肌トラブルの原因にも繋がります。私のクリニックでは、アトピー性皮膚炎の患者さんにマグネシウムを多量に与えた結果、劇的に肌がキレイになったという例があります。
 これらのことから、ビタミンCやマグネシウムが肌に届かず尿で出てしまう理由は、血中濃度が満たされた段階で、体が〝もうこれで充分だろう〞と判断してしまうからではないかと考えられます。

肌にビタミンCを効かせるために

 以前、ビタミンC誘導体クリームを使っても肌の状態が改善されない
患者さんがいました。その方の血中ビタミンC濃度を計ったところ、驚くほど低い数値で、壊血病の一歩手前でした。そこで、ビタミンCを静脈注射とスキンケアで徹底的に与えたら、あっという間に肌がツルツルになりました。ビタミンCには角質層のバリア機能を上げたり、血管の合成を促進させたり、さらにメラニンを退色させる作用があります。皮膚の断面図(図2)を見ると、毛細血管のさらに下(真皮の下層)に太い血管があります 。この血管に※栄養されている細胞は全身の10分の1くらいしかなく、ほとんどの細胞は毛細血管やリンパ管からの体液で※栄養されています。化粧品などで肌から摂り入れたビタミンCは、太い血管に届く前に、血漿やリンパ液などに吸収されてしまいます。また、血中のビタミンC濃度が満たされなければ、真皮にビタミンCを留まらせることはできません。そこで、健康な肌をつくるための近道として、まず静脈注射で血中のビタミンC濃度を上げ、そのうえで肌からもビタミンCを入れる方法があります。もちろん、C以外のビタミンも大事な働きがあるので、ビタミンCを はじめ各種ビタミンを静脈注射で体内に入れる、「カクテルビタミン注射」をすすめています。

水溶性ビタミンは調理法に注意

意外と知らない「ビタミン」のホント②

水溶性ビタミンは調理法に注意

ビタミンは、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに大別されます。
 水溶性ビタミンには、ビタミンB群やビタミンCがあり、その名のとおり、水に溶けやすい性質があります。摂り過ぎた際は尿の中に排出されます。そのため、水溶性ビタミンは〝その日暮らしのビタミン〞と考え、常に摂り続けなければなりません。
 よく、ビタミンCを摂ろうとして野菜を多く食べる人がいますが、例えばキャベツを千切りにした後に水にさらしてしまうと、ビタミンCはあっという間に水中へ逃げてしまいます。ビタミンCが多く含まれている野菜を食べているから安心するのではなく、その野菜をどのように調理するかも大切です。
 『日本食品標準成分表(2010)』によると、ビタミンC を多く含む食品には、ブロッコリーやピーマンなどの緑黄色野菜、イチゴなどの果物や緑茶などがあります。
 ちなみに私は普段から緑茶をよく飲んでいますが、茶葉を粉末にして一緒に飲むように心がけています。こうすることで、ビタミンCをより確実に摂れていると思います。
また、調理方法が難しく食物からの摂取が難しいものの一つに葉酸があります。このように食物からでは十分な摂取が難しい葉酸ですが、体にはとても大切な栄養素です。葉酸サプリなどを利用して十分な摂取量を取れるようにしましょう。

酵素の働きを助けるビタミンB群

 ビタミンは、体内で「補酵素」として活躍するものです。補酵素は、ヒトの消化や代謝を促す酵素の働きを助けます。ビタミンB群の中でも、B2とB6の欠乏は皮膚や粘膜の炎症につながるため、肌トラブルの原因にもなります。さらにB6は脳の神経伝達物質やメラニン色素生成にも働きかけます。これは個人的な予測ですが、このB6の働きから想像すると、若白髪もB6の不足が影響しているのではないでしょうか。

ヒトは進化の過程でビタミンCを〝食べて摂る〞ことを選んだ!?

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC①

ヒトは進化の過程でビタミンCを〝食べて摂る〞ことを選んだ!?
 ヒトが健やかに生きるために必要なものの一つにビタミンCがあります。しかし、ヒトは体内でこれを作ることができません。常に必要なものなのに、なぜ体内にこれを作る機能がないのでしょう。
 最近の説では、本来ヒトはビタミンCの合成経路を持っていたと言われています。しかしヒトは雑食なので、いろいろなものからビタミンCを摂ることができます。体内の合成経路からビタミンCを作るより、体外からビタミンCを摂った方がはるかに簡単なのです。そのため、進化の過程でヒトのビタミンCの合成経路は失われたのではないかと考えられています。

 

体に入ったビタミンは生命維持に優先して使われる
ビタミンは、ヒトの体内で補酵素として働きます。食物から摂り入れたビタミンは、小腸で吸収され、細胞に取り込まれ、残りが脳や心臓などに優先的に伝達されていきます(図1)。なぜ脳や心臓が優先的なのかというと、これらが生きるためにまず必要な器官だからです。
 ある実験で、ネズミをビタミンC欠乏状態にしました。その後一気にビタミンCを与えてみたところ、ビタミンCを投与後のネズミの体内では、脳や心臓のビタミンCの濃度が5〜6割上がっているのに対して、皮膚のビタミンCの濃度はまったく上がりませんでした。脳や心臓におけるビタミンCは、「ドーパミン」を出したり、筋肉を動かしたり、生命維持の働きに直接関係しているからです。

1種類のビタミンを補うだけでは効果は不十分

意外と知らない「ビタミン」のホント④

1種類のビタミンを補うだけでは不十分

では、どうしたら上手にビタミンを摂り入れられるのでしょうか。それはやはり、日々の食生活を意識することです。

なにも食品成分表を見ながら毎食の栄養素をチェックする必要はありません。肝心なのは新鮮な食物を選んで食べることです。

また、自分の栄養管理を、医師や栄養士任せにしてはいけません。
 例えば肥満の場合、最近の栄養士の多くは〝専門家として肥満を改善する〞ためだけに、一日に摂取するトータルカロリーを減らす指導をします。

その結果減量は成功するかもしれませんが、カロリーを減らせばそこに含まれる栄養素も減るので、ビタミン不足になりかねません。 一方、骨粗鬆症予防にカルシウムを積極的に摂ると、血中にあるカルシウムの過剰分が尿と共に排出され、血中のビタミンも一緒に排出されてしまいます。つまり、カルシウムの摂り過ぎは、結果的に血中のビタミンバランスを崩してしまうのです。

カルシウムを多く摂れば骨が丈夫になるのではなく、骨内でのカルシウムとマグネシウムのバランスが重要なのです。

サプリメントに頼る前にまずは食品から摂る

肥満や病気対策に限らず、健康や美容目的で販売されているビタミン系のサプリメントも数多くあります。しかし、その多くは試験管実験の結果を元にして作られており、その成分が生体でどう機能するかまでは実証されていません。

そのため、本当に効果的な商品かどうかを自分自身で見極めなければなりません。食物に関しても、素材を極力そのままの状態で食べることが、自然なビタミン摂取につながります。例えば、アジア人に多いとされる脚気は、白米を常食にするようになってから増えたと言われています。

玄米を精米する際に、米ぬかに含まれるビタミンB1が失われてしまうからです。

 日本の食産業は実に多彩ですが、一方で、昔ながらの日本食の栄養バランスの良さが海外から注目を集めています。これらのニーズの中、総務省から研究補助金をいただき、全く食事に関する知識が無くても簡便にできる、画像入力タイプの個々人で可能な栄養の自己管理システムを作成しました。これは個々人の食事を登録することで、一日のエネルギーや三大栄養素、ビタミン、ミネラルの摂取量がわかるものです。

健康や美容のためにカロリーを気にするなら、これからは健康食を誇る日本人としても、ビタミンバランスを考えた食生活を心がけたいものです。

自分の栄養管理を自分自身で行うために

木村先生らが開設したwebサイト「健康栄養インフォメーション」。簡単なユーザー情報を登録後、“食事の栄養計算”を選択すると、1日に摂取した食事のメニューを入力する(選択式)だけで、栄養バランスをわかりやすくビジュアルで確認することができる。

http://www.health-info.jp/ 出店

※グラフの見方…赤文字の記号はそれぞれ次のビタミン類を表している。A:ビタミンA、D:ビタミンD、E:ビタミンE、K:ビタミンK、B1:ビタミンB1、B2:ビタミンB2、B6:ビタミンB6、B12:ビタミンB12、ナ:ナイアシン、葉:葉酸、パ:パントテン酸、C:ビタミンC

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC①

ヒトは進化の過程でビタミンCを〝食べて摂る〞ことを選んだ!?
 ヒトが健やかに生きるために必要なものの一つにビタミンCがあります。しかし、ヒトは体内でこれを作ることができません。常に必要なものなのに、なぜ体内にこれを作る機能がないのでしょう。

最近の説では、本来ヒトはビタミンCの合成経路を持っていたと言われています。

しかしヒトは雑食なので、いろいろなものからビタミンCを摂ることができます。体内の合成経路からビタミンCを作るより、体外からビタミンCを摂った方がはるかに簡単なのです。そのため、進化の過程でヒトのビタミンCの合成経路は失われたのではないかと考えられています。

 

体に入ったビタミンは生命維持に優先して使われる
ビタミンは、ヒトの体内で補酵素として働きます。食物から摂り入れたビタミンは、小腸で吸収され、細胞に取り込まれ、残りが脳や心臓などに優先的に伝達されていきます(図1)。

なぜ脳や心臓が優先的なのかというと、これらが生きるためにまず必要な器官だからです。

 ある実験で、ネズミをビタミンC欠乏状態にしました。その後一気にビタミンCを与えてみたところ、ビタミンCを投与後のネズミの体内では、脳や心臓のビタミンCの濃度が5〜6割上がっているのに対して、皮膚のビタミンCの濃度はまったく上がりませんでした。

脳や心臓におけるビタミンCは、「ドーパミン」を出したり、筋肉を動かしたり、生命維持の働きに直接関係しているからです。

13種類あるヒトのビタミンの中でも肌にはやはりビタミンC②

不足しているにもかかわらず尿に排出されてしまう不思議

体内に摂り込まれたビタミンCが脳や心臓に優先的に伝達される一方で、肌は常にビタミンCを欲している状態です。しかし、脳や心臓にビタミンCが満たされると、残りは過剰分として尿と一緒に排出されてしまいます。これはなぜでしょう。
 似たような事例に、マグネシウムがあります。マグネシウムには、かゆみを引き起こす「ヒスタミン」の放出を抑えたり、表皮の分解や皮膚のバリア機能を促進する作用があります。しかし、ビタミンC同様、過剰分が尿に排出されてしまいます。また、ストレスでも尿への排出が促されてしまうため、血中のマグネシウムが減りやすい傾向があります。すると、それを補うために皮膚内のマグネシウムが血中に流されていくのです。その結果、血中のマグネシウム濃度は平常を保ちますが、皮膚内のマグネシウム濃度は下がり、これが肌トラブルの原因にも繋がります。私のクリニックでは、アトピー性皮膚炎の患者さんにマグネシウムを多量に与えた結果、劇的に肌がキレイになったという例があります。
 これらのことから、ビタミンCやマグネシウムが肌に届かず尿で出てしまう理由は、血中濃度が満たされた段階で、体が〝もうこれで充分だろう〞と判断してしまうからではないかと考えられます。

肌にビタミンCを効かせるために

 以前、ビタミンC誘導体クリームを使っても肌の状態が改善されない
患者さんがいました。その方の血中ビタミンC濃度を計ったところ、驚くほど低い数値で、壊血病の一歩手前でした。そこで、ビタミンCを静脈注射とスキンケアで徹底的に与えたら、あっという間に肌がツルツルになりました。ビタミンCには角質層のバリア機能を上げたり、血管の合成を促進させたり、さらにメラニンを退色させる作用があります。皮膚の断面図(図2)を見ると、毛細血管のさらに下(真皮の下層)に太い血管があります 。この血管に※栄養されている細胞は全身の10分の1くらいしかなく、ほとんどの細胞は毛細血管やリンパ管からの体液で※栄養されています。化粧品などで肌から摂り入れたビタミンCは、太い血管に届く前に、血漿やリンパ液などに吸収されてしまいます。また、血中のビタミンC濃度が満たされなければ、真皮にビタミンCを留まらせることはできません。そこで、健康な肌をつくるための近道として、まず静脈注射で血中のビタミンC濃度を上げ、そのうえで肌からもビタミンCを入れる方法があります。もちろん、C以外のビタミンも大事な働きがあるので、ビタミンCを はじめ各種ビタミンを静脈注射で体内に入れる、「カクテルビタミン注射」をすすめています。

欠乏も過剰摂取も注意したい脂溶性ビタミン

意外と知らない「ビタミン」のホント③

欠乏も過剰摂取も注意したい脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kがあります。
 皮膚や粘膜の活性に働きかけるビタミンA、血液を凝固させる成分を生成するビタミンKなど、脂溶性ビタミンも健康のために必要です。特に近年は、ビタミンK欠乏症の妊婦が増えています。ビタミンKが欠乏すると、出血が止まりにくくなるなど重篤な症状にもなるため、新生児には生後すぐにビタミンKシロップを与えています。
 脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンのように摂り過ぎた分が尿として排出されません。肝臓などに貯蓄され、徐々に胆汁を介して腸に循環し、またすぐに腸から吸収され、再び蓄積されます。そのため、脂溶性ビタミンを摂り過ぎると、ビタミン過剰症の原因にもなります。もっとも、普通の食生活で、脂溶性ビタミンを摂り過ぎるということは殆どありません。ただし、サプリメントで不足分を補う際は、摂り過ぎに注意したいところです。
 食品から摂ったビタミンそれぞれが然るべき器官で働くことで、全身の代謝を促し健康維持につながります。化粧品の中には〝○○ビタミン配合〞とうたうものが数多くありますが、肌からのビタミン補給に注力する前に、新鮮な食品からビタミンを摂り入れ、体内の栄養環境を整えることが先決です。

ビタミンは知識があってこそ活かせる栄養素

意外と知らない「ビタミン」のホント①

知識があってこそ活かせる栄養素

 美容や健康を意識する女性の多くが、ビタミンを摂ることを心掛けていると思います。

しかし、なぜか今の若い世代は栄養状態が悪いと言われています。三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)を知っていても、ほかの栄養素に関してはよく知らない、ビタミンもその一つです。
 美容や健康を極めるために、どのような生活を送ればよいのか、現代の研究ではまだ完全には解明されていません。

そんな状況の中で、『ビタミン○○が良い』というようなブームは常に起こり、『肌にいいから』『老化防止に』と、特定のビタミンを集中的に摂っている人が多くいます。
 ところが実際は、どんなビタミンがどれだけ必要か、どのビタミンが自分に不足しているかは、個々の健康状態で異なるはずです。

ビタミンを摂ることに積極的でも、自分の体に必要なビタミンがどれかを理解している人は、意外と少ないのではないでしょうか。

ビタミンは代謝を促す”潤滑油”的なもの

そもそも、「ビタミン」とは何か。ビタミンとは、生物が生体を維持するうえで必要な微量の栄養素のうち、ミネラルを除いたものの総称です。また、これらは生物種によって異なり、ヒトの場合、現在のところ13種類がビタミンとして認められています(表1)。

ビタミンは、体のエネルギー源(三大栄養素)の働きを円滑にするために欠かせないものです。これらはそれぞれ働きが異なるので、体内での一日あたりの消費量も異なります。しかし、ヒトはビタミンのほとんどを体内で合成することができません。そこで私たちは、食品やサプリメントからビタミンを摂り、これを補っています。

意外と知らない「ビタミン」のホント②

水溶性ビタミンは調理法に注意

ビタミンは、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに大別されます。

 水溶性ビタミンには、ビタミンB群やビタミンCがあり、その名のとおり、水に溶けやすい性質があります。摂り過ぎた際は尿の中に排出されます。そのため、水溶性ビタミンは〝その日暮らしのビタミン〞と考え、常に摂り続けなければなりません。
 よく、ビタミンCを摂ろうとして野菜を多く食べる人がいますが、例えばキャベツを千切りにした後に水にさらしてしまうと、ビタミンCはあっという間に水中へ逃げてしまいます。

ビタミンCが多く含まれている野菜を食べているから安心するのではなく、その野菜をどのように調理するかも大切です。
 『日本食品標準成分表(2010)』によると、ビタミンC を多く含む食品には、ブロッコリーやピーマンなどの緑黄色野菜、イチゴなどの果物や緑茶などがあります。

 ちなみに私は普段から緑茶をよく飲んでいますが、茶葉を粉末にして一緒に飲むように心がけています。こうすることで、ビタミンCをより確実に摂れていると思います。

酵素の働きを助けるビタミンB群

 ビタミンは、体内で「補酵素」として活躍するものです。補酵素は、ヒトの消化や代謝を促す酵素の働きを助けます。ビタミンB群の中でも、B2とB6の欠乏は皮膚や粘膜の炎症につながるため、肌トラブルの原因にもなります。さらにB6は脳の神経伝達物質やメラニン色素生成にも働きかけます。これは個人的な予測ですが、このB6の働きから想像すると、若白髪もB6の不足が影響しているのではないでしょうか。

意外と知らない「ビタミン」のホント③

欠乏も過剰摂取も注意したい脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンにはビタミンA、D、E、Kがあります。
 皮膚や粘膜の活性に働きかけるビタミンA、血液を凝固させる成分を生成するビタミンKなど、脂溶性ビタミンも健康のために必要です。

特に近年は、ビタミンK欠乏症の妊婦が増えています。ビタミンKが欠乏すると、出血が止まりにくくなるなど重篤な症状にもなるため、新生児には生後すぐにビタミンKシロップを与えています。

 脂溶性ビタミンは、水溶性ビタミンのように摂り過ぎた分が尿として排出されません。肝臓などに貯蓄され、徐々に胆汁を介して腸に循環し、またすぐに腸から吸収され、再び蓄積されます。そのため、脂溶性ビタミンを摂り過ぎると、ビタミン過剰症の原因にもなります。もっとも、普通の食生活で、脂溶性ビタミンを摂り過ぎるということは殆どありません。

ただし、サプリメントで不足分を補う際は、摂り過ぎに注意したいところです。
 食品から摂ったビタミンそれぞれが然るべき器官で働くことで、全身の代謝を促し健康維持につながります。化粧品の中には〝○○ビタミン配合〞とうたうものが数多くありますが、肌からのビタミン補給に注力する前に、新鮮な食品からビタミンを摂り入れ、体内の栄養環境を整えることが先決です。

再生力を育む7つのペプチド

化粧品成分としてのペプチド4

医療では、ヤケドによる皮膚移植治療や角膜切開での傷の回復に用いられている。53個のアミノ酸からなり、表皮細胞のDNA合成と細胞分裂させる「シグナル因子(司令塔)」の役割を果たす。皮膚の新陳代謝を活性化させ、ターンオーバーを促進させる。細胞の成長を促進させる働きから、シミ・シワ・ニキビなど多くの悩みに効果的と考えられている。

「ラミニン」(基底膜にあるタンパク質)に似た作用を持つ。基底膜上のタンパク質合成を促進させ、表皮と真皮間の結合を強化する働きがあり、肌そのものを強化できる。また、皮膚の新陳代謝にも深く関わっていると考えられている。老化によってできたシワを解消する効果が高く、ハリのある肌へと回復させる。肌を強くできるので、これから先の研究結果によっては幅広い活用が期待できる。

成長ホルモンに似た作用を示すペプチド。破損している細胞の再生を促進し、老廃物を排出させる作用があることから、ターンオーバーの促進に期待できる。また、脂肪を燃焼させる効果があるので、すっきりとしたフェイスラインに改善することも可能。

「線維芽細胞増殖因子」とも呼ばれる、アメリカで肌老化を抑制する特許を取得しているペプチド。FGFを肌に塗ると、線維芽細胞の数が増えたという報告がある。このことから、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の増加が見込まれ、肌水分量の増加やシワ・タルミの改善が期待できる。

コラーゲン線維形成を正常に行う際に欠かせない「デコリン」と似た作用を持つペプチド。まだ発見されて新しく、コラーゲン産生を継続的に行う効果が期待できる。コラーゲン線維を束ねることで肌の密度を上げ、ふっくらした弾力性を回復させる効果がある。

瞼のむくみや目元のたるみは、血流の悪さやリンパの流れの悪さからくるものが多い。その血流やリンパの流れを改善させ、ハリのある若々しい目元に回復させる効果を持つのがこのペプチド。デリケートでケアが難しい目元に使え、たるみ・ハリのなさ・目の下のクマ解消にもつながるため、若々しくすっきりとした目元を取り戻す効果が期待できる。

6個のアミノ酸に酢酸が結びついたペプチド。「アルジルリン」や「アルジレリン」とも呼ばれている。筋肉の収縮を抑制することで筋肉の緊張をほぐし、細胞の膜タンパク質の動きをなくし、固定させる働きにより、表情ジワを軽減させる効果がある。表情ジワ治療に使用するボトックス注射に似ているため、「塗るボトックス」とも呼ばれている。

これからのペプチドに期待する機能。

 注目しているペプチドは、『ヘキサペプチド― 11』です。これは紫外線ストレスを与えながら培養されたペプチドです。紫外線で受けた肌のダメージを補修する効果が備わっています。肌が紫外線で受けるダメージは思っているよりも高いですよね。UVカット剤や美白化粧品でのケアだけでは、追いつかないことも多くあります。そこで肌そのものを紫外線から受けるダメージに対抗できるように、肌を強くしておきましょう。すると紫外線からのダメージでできるシワなどの老化を軽減できると考えられるからです。ヘキサペプチド―11の効果が十分に生かされている化粧品の開発が今の課題であると言っても過言ではありません。実現すれば、紫外線で受ける肌のダメージは軽減されるどころか、回避できると期待できます。

好みのエキスを見つけることも大切

美容成分となるポリフェノールを探そう

好みのエキスを見つけることも大切

植物エキス自体は、ハーブや生薬として古くから治療や美容に使われてきました。しかし研究が進み、植物エキスの内容成分や、作用のメカニズムなど、エビデンスが確立されてきたのは最近のことです。
 植物エキスにポリフェノールが含まれていることがわかり、効能や働き、美容効果も解明されてきました。その結果、ポリフェノールの効果のほとんどに抗酸化力が関係しているとわかってきたのです。
 抗酸化力によって、抗菌作用や抗炎症作用が生じます。美白作用が強いと言われるポリフェノールにも、もちろんその作用は備わっています。
 さまざまな作用を持つポリフェノールですが、体外にすぐに排出されてしまうため、効果を実感するためにはこまめに長く摂取し続けなければなりません。
 多くのポリフェノールには色や香りがついています。また、野菜や果物、木の実などの食品にも含まれています。悩みに合わせて選ぶと同時に、好きな味や香りから選ぶと、続けやすくなります。