ペットは家族の一員として大切に飼われている方も多いと思います。
犬や猫などのペットを飼おうと思ったとき、ペットを飼うには経済的余裕がいりますのでいきなりペットショップに行って衝動買いする方は普通いないですよね。
まず、家族でどのペットにするか何度も相談し、決まったら飼い方について色々調べて、ケージやクレート、トイレなどを用意して、と準備万端で家に082271迎えたのではないでしょうか?

そして、ペットと暮らしている間にも、しつけに試行錯誤したり、体調不良に一喜一憂しながら成長を見守り、家では抱っこしたりなでたりして癒しをもらい、一緒にお出かけして楽しんだりと長い年月をかけてペットへの愛情と信頼関係をはぐくんできたと思います。

でも、残酷な事実ですが、ペットの犬や猫は平均寿命は約15年、丈夫で健康でも、きちんと毎年ワクチンを接種して健康診断をうけさせていても20年生きることはまれなことです。飼い始める前からわかっていた事とは思いますが、長年一緒にいるといつの間にかいるのが当たり前の存在になってしまい、いずれは自分よりも先に逝ってしまうこと、飼い主の責任として最後を看取らないといけないこと、犬でも猫でも老齢になるとガンなど深刻な病気にかかりやすく、人間と同じように認知症や寝たきりで介護が必要になることも多いのでかなりの負担になるといった厳しい現実を考えるのが怖くなってしまい、この問題を先送りにしていませんか?

うちのペットはまだ若いし健康だから関係ない、ではなく、ペットを飼っている限りやってくる、最愛のペットの介護をして最後を看取る日、その時に深い喪失感と悲しみから深刻なペットロスに陥って日常生活に支障をきたしたり、うつ状態で受診しないといけないような状態にならないためにも日頃からペットとの関係に気を付けておく必要があります。

 





ペット依存になっていませんか?

共依存」という言葉を知っていますか?
dog_drive_car[1]主に夫婦間の暴力であるドメスティックバイオレンス、いわゆるDVやアルコール依存症患者とその家族との関係においてよく言われることですが、相手に認められることに喜びを見出して、自分を犠牲にして相手に献身的に尽くすこと相手が抱える問題、DVなら暴力、アルコール依存症なら病気をより加速させてしまうという厄介な依存関係です。自分に自信がなく自己評価が低い人が陥りやすい傾向があります。

母と子との関係も共依存になりやすいのですが、飼い主とペットの関係は飼い主が母でペットが子とそのままあてはまりますよね。 飼い主が孤独や精神的不安を抱えていて、ペットに癒しや話し相手を過剰に求めているとペットに依存しやすくなります。
ペットにあまりにも依存しすぎていると、そのペットを亡くした時に強いペットロスに陥ってしまうことになりますので注意が必要ですし、ペットの方も飼い主依存になって様々な問題行動を起こすことになります。

①常にペットと一緒な飼い主とそのペット、双方に悪影響が!

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ペットが癒しの存在になりすぎて片時もペットと離れることができない、留守番は心配でさせられない、どこに行くのもペットと一緒、夜もペットと一緒にベッドで寝ているという方、ペットとの関係を少し見直してみる必要があります。猫の場合は人よりも家に付く動物ですので留守番は問題なくできますし、外出の際に同伴するということは普通ないかと思いますが、犬の場合、最近は犬同伴可な所が多いのもあって車で出かける際は常に車に乗せて一緒に連れて行くという人が増えています。
スーパーでの買い物の際にも連れて行き、スーパーは介助犬以外は入店できないので車の中で待たせているという人もよく見かけます。夏になると駐車している車の中はかなりの高温になりますので熱中症の心配もありますし、犬にとっては涼しい家の中で留守番している方が良いのではないでしょうか?

うちの犬は寂しがりで留守番できないから、という人がいますが、犬はしつけ次第で大人しく留守番はできる動物ですし、成犬になると昼間の時間はほとんど寝てる訳ですから一人だと寂しいというのは飼い主側の思い込みではないかと思います。全く留守番をさせないでいると、犬自体も置いて行かれることに敏感になって留守中は吠えて近所迷惑になったり、家の中でいたずらをして家を荒らしたりと問題行動をおこすようになりがちです。

また、飼い主の方も、犬を同伴しないのが普通の場所にも犬を同伴しようとしたり、留守番させられないからと犬のために自分の交際範囲を狭めることになり、結果的にますます犬との依存関係を強めることになってしまいます。

②夜はペットと一緒に寝ている飼い主

夜はペットと一緒に寝ているという方、しつけの面からいえば本来は飼い主とペットが同じ高さで寝ない方が良いのですがペットが可愛いので一緒に毎日寝たいという方、多いですよね。
ぺットとの関係が濃密で将来的に深刻なペットロスになる可能性が高い飼い主ですが、問題はそれだけではありません。
というのも、地震大国の日本、いつ大地震が起きるかわかりません。

大地震が来て、自分の家は倒壊は免れたとしても、電気や水道といったライフラインが断たれたら自宅で暮らせません。一時的に近くの公民館や学校の体育館の避難所で過ごすことになります。
pet_carry_cage_dog[1]避難所では自分のペットはクレートに入れるか犬なら外につなぐしかありません。

普段ずっと一緒のベッドに寝ることが当たり前になっていたら、おそらくパニックを起こし、犬なら一晩中泣きわめいて吠え続けて他の人達の大迷惑になってしまいます。できれば普段から夜寝るときは犬ならクレートや犬用ベッドに決めておいた方が安心です。
また、旅行に行くときには必ず犬も同伴しているという方、自宅を留守にするのは旅行だけではありませんよね。

急な冠婚葬祭が入って泊まりで出かけなくては行けなくなったり、自分が病気になって入院治療が必要な場合もあります。猫なら近所の人や知人に1日1回ぐらい家に様子を見に行ってもらってトイレを掃除してエサや水を与えてもらうぐらいでも2、3日は充分留守番させられますが、犬の場合はそうはいきません。
動物病院やペットホテルで預かってもらえますが、預かり中は基本はクレートで朝晩に2回散歩に連れて行ってもらえる、ぐらいの条件のところが大半です。クレートに全く入ったこともない犬なら、狭いクレートにずっと閉じ込められたらそれこそ大騒ぎで他の預かり犬たちや職員に迷惑をかけてもう預かってもらえなくなるかもしれません。
普段は家の中でフリーにして飼い、外出の際も大体は一緒に連れて行く、夜も一緒に寝る、それでも構わないのですが、クレートに入れたら大人しく中で過ごすことができるという状態にしつけておく、クレートトレーニングをやっておく事は絶対必要です。
クレートみたいなあんな狭い檻にずっと犬を閉じ込めておくなんて可哀そう、と思われるかもしれませんが、犬は本来狭くて暗い穴ぐらで暮らしていた動物なので、周囲を囲われていて狭くて暗い場所を好みます。

家の中でフリーで飼われている室内犬をよく観察してみると、広いリビングがあっても犬が一人で留守番しているときは部屋の真ん中でのんびりくつろいだりはしていません。大抵はダイニングテーブルの下や椅子の上、部屋の隅など薄暗くて奥まったところで寝ています。
飼い主、ペット双方のためにもクレートで一人で大人しく過ごせるようにトレーニングしておくことをお勧めします。

 

信頼できるかかりつけの動物病院、獣医師を持っていますか?

pet_doctor[2]ペットが病気や老衰で余命を宣告されるような状態になったり、治療の甲斐なく亡くなってしまった時、怒りの感情が動物病院や獣医師に向かうことがあります。
動物病院は自由診療なので病院によって治療方針が異なっていてかかる金額も違います。ペットの治療費は高額になることも多いので、動物病院ではどんな治療をするにしても選択は飼い主にゆだねられます。
動物病院を選ぶにあたって一番大切なのは人間の病院の場合と同じでインフォームドコンセントだといえます。

ペットの現在の状態やこれから起こるべき病状、回復させるためにとるべき最善の手段は何か、投薬するならどんな薬を使うのか、治療にかかる金額はどれぐらいなのか、治療しなかったらどうなるのか、などじっくりと飼い主の話を聞いてくれて、適切な治療を選択させてくれる信頼できるかかりつけ動物病院を普段から持っておきましょう。
深刻な病にかかっていたり高齢などでもう苦しむだけで延命の意味がない状態だったら、辛い選択で賛否両論ある問題ですが安楽死という手段もあります。最終的にペットを亡くしてしまうことになっても、自分は充分に手を尽くしてあげた、最後を看取ってあげれた、動物病院で適切な治療を受けさせることができた、と納得できることでペットロスの悲しみの段階で起こる怒りの感情を抑える事ができます。

 

自己本位な可愛がり方をしていませんか?正しい飼い方をしていますか?

ペットが重い病気になった、亡くなってしまった場合、自分がもっと早く気付いてあげたら命を救えたかもしれないのに、忙しくてあまり世話ができていなかった、とペットの死は自分の責任だと自分を責めてしまうことがあります。これは誰にでも起こりうる感情です。動物の場合、命にかかわるような病にかかっていたとしても、本当に深刻な状態になるまで弱った様子を見せないので気づくのが遅れてしまいます。

決してあなたが充分な世話をしていなかった訳ではないのです。
しかし、自己本位な可愛がり方をしている場合は問題です。

欲しがるからと人間と同じ食べ物や菓子を与えたりしていませんか?
ペットは身軽に敏捷に活動するためにも、健康のためにも適切な体重を維持することが必要です。
最近はペットにも肥満や糖尿病が増えています。肥満は人間と同じであらゆる病気や怪我のもとになります。ペット亡くなってから後悔しないためにも正しい飼い方を心がけましょう。

ペット自身の健康や精神的安定のためにも、深刻なペットロスに陥らないためにも、上記にあげたことを日頃から気を付けるようにしましょう。