めまいや耳鳴りには原因が不明なケースもありますが、原因が明らかですぐに対応できるケースもあります。それは、中毒性のめまい。原因は、身近な日常生活の中に潜んでいます。

薬物中毒

めまいや耳鳴りの原因が、実は病院で処方された薬だったということが、残念ながら実際にあります。結核の治療薬ストプレマイシンや、感染性胃腸炎の治療に使用するカナマイシンなどアミノ配糖体抗生物質には注意しましょう。

この薬を使用すると、めまい、耳鳴り、難聴などの中毒症状がまれに出ることが臨床的に分かっています。薬を投与している最中にめまい症状が起これば、その原因も容易に特定できるのですが、使用後、しばらく期間を置いて症状が出た場合には、薬物との関連性が見逃されてしまうことがあります。めまいの診察の際には必ず、数週間前に遡って薬歴を問われるので、お薬手帳などを持参して、正確に答えられるようにしておきましょう。





一酸化炭素中毒

一酸化炭素中毒は一歩間違えると命にかかわる、大変に危険な中毒です。石油の不完全燃焼、火災、自動車の排気ガスなどで発生し、中毒で亡くなる原因の過半数を占めています。口と鼻から吸い込んでしまった一酸化炭素は血液に入り込み、一酸化炭素酸素ヘモグロビンを形成し、体内に酸素を運ぶことをストップさせてしまうのです。急激に貧血が起こったような感じでめまいが襲い、立っていられなくなります。

頭痛や吐き気、そして意識障害を起こし、最悪の場合、全身が低酸素症になり、命が危険な状態になります。  一酸化炭素中毒の場合、発生初期なら新鮮な空気のもとで自然に呼吸をすることで治りますが、低酸素症になってしまった後は、速やかに機械を使って高圧酸素療法が必要になります。

有機溶剤中毒

 有機溶剤中毒の代表格は、シンナー中毒です。ペンキや接着材などに含まれている有機溶剤のシンナー(トルエンやキシレン)を吸い込むことで中毒を起こします。有機溶剤は揮発しやすいので、閉鎖された空間でペンキや接着材を使用しないよう気を付けましょう。

中毒症状はめまい、耳鳴りの他に、頭痛や吐き気、そして意識障害が起こります。幻覚や幻聴を起こすこともあり、慢性中毒になると脳萎縮を起こしてしまうことも。中毒症状への対応は、新鮮な空気のもとで呼吸をさせること。肌や目に入った時には流水で十分に洗い流しましょう。

誤飲による中毒症状はもっと危険です。小さな子どもが誤飲した場合には無理に吐かせようとすると気道に障害を与えたり、食道を傷つけたりすることがあるので、救急車を呼んで専門医の指示に従いましょう。

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