めまいや難聴は病気のせいだけではありません。生活環境や職場環境によっても起こることがあります。

職業性難聴とは?

職業性難聴は、騒音性難聴とも呼ばれ、大きな音(騒音)の中で継続的に長時間仕事をすることによって起きる難聴のこと。その仕事をしている年数が長いほど、難聴も進行していきます。

大きな音というのは、80デジベル以上の衝撃音のこと。これを長時間、長期間に渡って聞き続けると、内耳の感覚細胞がダメージを受けます。蝸牛が損傷を受け、耳鳴り、めまいがします。さらには鼓膜が破れ有毛細胞が傷付けられ、音を感知できなくなり、難聴を起こすと考えられています。

また、睡眠不足や精神的ストレス、肉体疲労などが重なると発症しやすいことが分かっています。

難聴になりやすい仕事

内耳にダメージを与え、難聴のリスクが高い仕事としては、騒音が絶え間なく続くパチンコ店や、工事現場、工場での仕事が挙げられます。

また、ヘッドフォンをして会話の詳細を聞き取るテレフォンオペレーターの仕事や、イヤホン装着をして音楽を聴き続ける状況も、内耳への負担が大きく難聴になりやすいことが分かっています。 ただし、同じような職場環境にいても難聴になる人とならない人がおり、発症には個人差があります。





早期診断と早期治療が肝心

職業性難聴の場合、高い音から聞こえが悪くなるのが特徴。ただし、高い音は日常生活ではあまり使用しない音域なので、難聴に気が付かない人が大半です。

耳鳴りとめまいが気になって耳鼻科を受診したところ難聴が分かったという方、かなり難聴が進行してからようやくおかしいなと自覚される方も少なくありません。 しかし、音を感じる有毛細胞はとても繊細で、一度外部からの衝撃を受けて損傷してしまうと、再生は不可能。ですから早期診断と予防がとても大切になります。

治療には相当な日数が必要

音を感じる有毛細胞への影響を最小限に抑えるため、耳鼻科で難聴と診断された場合には、すぐに薬物療法による治療を開始します。炎症を抑えるステロイド、血流を良くする薬(アデホスコーワなど)やビタミン剤、メチコバールなどの代謝促進剤が処方されます。治療には数週間から数カ月かかります。

取り返しがつかなくなる前に、自己防衛策を

職業性難聴は、最悪の場合、聴覚を失うという事態になります。労災が認定されることも多いので、早めに専門医の診察を受け、診断書を書いてもらって勤務先に相談しましょう。最悪の事態を防ぐためには、第一に騒音のある場所を避けること。

どうしてもそういう場所にいなくてはいけない場合には耳栓などで耳をガードし、自己防衛に努めましょう。

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